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増田 實

増田 實
増田 實
増田實は明治31年(1898)7月26日、旧永治村(現印西市)
亀成の武藤家の次男としてうまれた。その後、23歳で現我孫子市日
秀の増田家長女と結婚し養子となる。
 彼は大正5年19歳の1月1日より日記をつけはじめ、昭和30年
ころまで途中何度か病気や多忙のため白紙の部分を残しながらも、詳
細な日記遺している。
 後年のものは日記というよりも人生を振り返っての所感あるいは重
要事項の防備録に近いが、第二次対戦の始まる昭和15年(1940)
までの日記は、文字通りの日録といって。日々の生活のあとがよく知
られる記事に満ちており、彼の汗と精神が滲んでいるといってよい。
 日記の特色は、毎日の天候とそれにかかわる様々の状況、たとえば
手賀沼の水位(手賀沼は過去に何度も水害があった)、波、濁りかた、
風向きとその変化、雲の有様、それらと生活−農耕・漁業・鴨猟など
の関係が生彩あふれる筆で記されており、いかにも生活を託した者の
哀歓が浮き彫にされているかの観がある。
 従って我孫子市史研究の資料としては極めて重要なものとしてなっ
ており、既にこれについて二・三の研究論文も発表されているが、民
俗分野からはまだ利用したものを見ない。
 大正5年の日記にはつぎのようにして始まる。
 「元日雨 水神宮に参る。二日、日記を買いつけはじまる。
〈雨だりにくぼみし軒の石見ても難き業とて恩棄とてめや〉」
 以上は増田實についてのほんの一部のことしか述べられないが、市
の図書館には詳しくまとめられた書籍があるので、我孫子に興味のあ
る方は一読されることをおすすめしたい。
 我孫子には白樺派の文豪や有名な人々がいたが、庶民の立場で生活
等々の内容を細かくしるされた重要なものだと私は思う。
写真及び文章・我孫子市史より参考及び一部引用

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