つるし雛を作られた寺尾さん。
当社が加入している商店会々長の寺尾美千子さんが作られた「つるし雛」です。
寺尾会長は元々手芸のお店を経営されており、洋裁や編み物等々の腕はプロです。私のチョッキなども編んでもらいました。
「つるし雛」は、縮緬などの着物の布を解いて作った細工物を紐で繋げて、竹等で作った輪に吊るして飾りにした物です。その起こりは江戸時代とされていて細工物一つ一つに長寿や健康などを願う意味があり、女の子が生まれたお祝いとして届けられ、桃の節句に飾ったと云われています。
九州柳川の「さげもん」、静岡稲取の「つるし雛」、山形酒田の「傘福」などが有名で、日本各地に伝わり、同じ様な飾り物がインドや中国にもあるのが興味深いところです。桃の節句に、あるいは女の子が生まれた時に親類縁者が作って持ち寄り、雛飾りの代わりとして飾った地域、また雛壇飾りの両側に吊るした地域等、その地域ごとに多少の違いはあるようです。また最近では、桃の節句だけではなく、端午の節句用に作られた物や、長寿を祈願する物、喜寿や米寿のお祝いの物としての吊るし飾りも作られています。細工物一つ一つに様々な願いが込められ、吊るす数にも長寿への願いが込められています。